LTV向上を実現するための施策10選!計算方法もわかりやすく解説
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手軽にLTVを可視化!D2C事業者向けLTV予測機能「LTVForecast」とは
- 「LTV向上を実現するためにはどうすればいいんだろう」
- 「そもそもLTVを正しく把握できていない」
- 「どうすれば効果的にLTVを分析できるのかわからない…」
マーケティングや広告運用に関わる担当者の中には、こうした悩みを抱く方も多いのではないでしょうか。
LTV向上を実現するためには、顧客のリピート率アップや解約率の低下など、顧客との長期的な関係構築を重視したマーケティング施策を行うことが重要です。例えば、CPAだけでなくLTVに着目したマーケティングを行うことで、より正確な広告投資効果を把握でき、利益の最大化に繋げることができます。
そこで、今回の記事では、LTV向上を実現するための施策について詳しく紹介します。
アドエビス(AD EBiS)のD2C事業者向けLTV予測機能「LTVForecast」を活用すれば、通常1年以上かかるLTV算出を、最短1ヶ月で行えます。月に1度、注⽂ID・会員ID・売上などの注文データをアップロードするだけで、手軽にLTVを可視化できます。
目次
1. LTV(ライフタイムバリュー)とは?
LTVは「Life Time Value」の略語で「顧客生涯価値」を示すマーケティング指標です。ここでの「生涯」は、「1人あるいは1社の顧客が、特定の企業やブランドと取引を開始してから終了するまでの期間」を示します。つまりLTVとは、1人あるいは1社の顧客が、特定の企業やブランドと取引を開始してから終了するまでの期間内にどれだけの利益をもたらすかを測る指標です。
例えば、あるユーザーが企業Aの提供するサービスにおいて、1年目に1万円、2年目に5万円、3年目に3万円の購買を行った後、サービスを解約したとします。この場合、あるユーザーがサービスを解約するまでの3年間、企業Aに9万円の収益をもたらしたことになります。つまり、あるユーザーの企業AのサービスにおけるLTVは9万円となります。
2. LTV向上を目指すべき理由
企業にとってLTVの向上を目指すべき理由とは何でしょうか。ここでは、LTVが向上することで得られるメリットと重要性について解説します。また、近年のビジネスにおいてLTVが注目されるようになった背景についても解説します。
2-1. LTVを向上させることの重要性
一般的に新規顧客を獲得するためには、既存顧客の5倍のコストがかかると言われています(1:5の法則)。加えて、昨今のデジタル施策へのシフトにより、Web広告単価は上昇傾向にあります。1回の売上で広告費を回収できるとは限りません。
そのため、獲得した顧客の購買単価やリピート率を高め、長期的に顧客との関係性を維持していくことでLTVを向上させることが重要になります。これまで用いられてきたCPA(Cost per Acquisition/コンバージョン1件あたりにかかった広告コスト)やCPO(Cost per Order/受注1件あたりにかかった広告コスト)だけでなく、リピート指標であるLTVの重要度が増しています。LTVに着目したマーケティングを行うことで、より正確な広告投資判断を行えるようになるのです。
さらに、顧客の購買単価やリピート率を上げる過程で、サービス品質やブランド価値の向上も期待できます。
2-2. LTVが注目されるようになった背景
LTVが注目されるようになった背景として、サブスクリプション型ビジネスの普及やD2C市場の急拡大が挙げられます。
サブスクリプション型ビジネスは、長期的に継続してもらうことで収益をあげるビジネスモデルです。いかに顧客に継続的にサービスを利用してもらうかが課題となるため、LTVでの施策評価が重要となります。
また、2021年にはインターネット広告費がマスコミ4媒体広告費(※)の総計を初めて上回るなど、Web広告を出稿するプレイヤーが増加し、Web広告におけるCPAの悪化が課題となっています。さらに、近年の広告業界における法規制や広告媒体の審査基準の変更などにより、広告投資回収期間が長期化しています。このような状況下のため、LTVを活用した広告投資の全体最適化が必要になっています。
※マスコミ4媒体広告費=「新聞」「雑誌」「ラジオ」「テレビメディア(地上波テレビ+衛星メディア関連)」の媒体費と制作費の合算。
3. LTVの計算方法
LTVの計算方法にはいくつかのパターンがあります。代表的な計算方法として、以下の3パターンを解説します。
- リピート商材の場合
- BtoB商材の場合
- サブスクリプション型商材の場合
3-1. リピート商材の場合(通販・EC・D2C業界)
通販やEC・D2C業界におけるリピート商材の場合、LTVの計算式は以下になります。
例えば、顧客の平均購入単価が1万円のとき、年4回の購入を3年間継続した場合のLTVは12万円になります(1万円×年4回×3年間=12万円)。
こちらのLTVの計算式では、最初に平均値を決めてからLTVを計算するので、成果の良い時期と悪い時期を割り出す方法としても利用できます。
3-2. BtoB商材の場合(メーカー・小売業界)
メーカーや小売業界などのBtoB商材の場合、LTVの計算式は以下になります。
例えば、ある企業との年間取引額が500万円で、収益率が30%、顧客との取引継続年数が3年の場合のLTVは450万円になります(500万円×30%×3年間=450万円)。
こちらのLTVの計算式では収益率を使用するので、事前に収益率を算出しておく必要があります。
3-3. サブスクリプション型商材の場合(SaaS業界)
SaaS業界などのサブスクリプション型商材の場合、LTVの計算式は以下になります。
顧客の継続期間がわからない場合は、このように解約率で割って計算します。例えば、顧客の平均単価が1,000円、粗利率が50%、解約率が2%とした場合のLTVは25,000円になります(1,000円×50%÷2%=25,000円)。
サブスクリプション型商材では、解約率がLTVに大きな影響を与えます。解約率は以下の式で計算できますので、事前に解約率を算出しておきましょう。
※商品によっては年単位や週単位で計算する場合もあります。
4. LTV向上を実現するための10の施策
LTV向上を実現するためにはどのような施策を打つ必要があるのでしょうか。以下の4つの観点から、10の施策を紹介します。
- 製品・サービスの購買単価を上げる
- 顧客のリピート回数を増やす
- 解約率を低下させる
- 新規顧客の獲得・既存顧客の維持コストを下げる
4-1. 製品・サービスの購買単価を上げる
単純に商品単価を上げることは、購買単価を上げるための一手段です。単純な商品単価の値上げの他に、顧客が日頃購入している商品よりも高額の商品の購入を促進することで、購買単価を上げられます。また、顧客が購入しようとしている商品に加えて、複数商品をまとめて購入してもらうことも効果的で、特にECサイトで用いられています。
商品単価を上げる
もっとも簡単に顧客の購買単価を上げる方法は、商品そのものの単価を上げることです。
しかし、顧客の納得が伴わない値上げは顧客離れに繋がり、顧客が他社へ流れてしまう可能性があるので、安易な値上げには注意しましょう。値上げの際には、商品に付加価値をつけることを検討してみてください。
より高額の商品・サービスを購入してもらう(アップセル)
顧客が購入した商品・サービスよりも、より高額な商品・サービスを購入してもらうことを「アップセル」と呼びます。アップセルにより購買単価が向上し、同じ顧客数でも効率的に売上を向上させることができます。高額な商品に関心を持ってもらうためには、価格グレードごとの機能の違いを明確にした上で、上位商品の魅力を説明できるようにしておくことが重要です。
複数の商品をまとめて購入してもらう(クロスセル)
顧客が購入しようとしている商品に加え、複数の商品をまとめて購入してもらうことを「クロスセル」と呼びます。例えば、顧客の購入履歴データを活用し、関連した商品をおすすめすることは効果的なクロスセルの手法で、様々なECサイトで採用されています。
4-2. 顧客のリピート回数を増やす
商品・サービスを購入した顧客に対して「一度売って終わり」では次の購買行動に繋げられません。適切なタイミングで顧客とのコミュニケーションを図ることで、顧客のリピート購買へ繋げられます。顧客が購入した商品・サービスを使いこなせていなかったりすると、競合の商品・サービスに乗り換えしてしまう可能性もあるので、適切な商品の使用促進やリマインドといったアプローチが必要です。
適切なタイミングで顧客にアプローチする
適切なタイミングで顧客にアプローチすることは、リピート回数を増やす方法の一つです。定期的なメール配信や、商品の買い替え時期に合わせた割引施策を活用して、顧客に定期的に商品を思い出してもらいましょう。CRM・MAツールを用いると、顧客に応じた丁寧なフォローが可能になるのでおすすめです。
定期購入・サブスクリプション化する
商品の定期購入やサービスのサブスクリプション化により、顧客のLTV向上が期待できます。顧客の継続率は顧客満足度を測ることができ、よりよい商品・サービスを提供するための指標にもなります。
ポイントカード・会員ランク制度の導入
ポイントカードや会員ランク制度の導入は、顧客にとって、次回も同じ商品・サービスを購入するきっかけになります。これにより、顧客のリピート回数向上に繋げられます。
4-3. 解約率を低下させる
顧客が解約に至った場合には、解約理由を把握して改善策を打つ必要があります。同じ理由による顧客の解約を防ぐには、「なぜ顧客が解約に至ったか」という理由の深掘りが重要です。
また、顧客満足度を上げることで、顧客の継続利用率を向上させ、商品・サービスの解約率低下に繋げることができます。
解約理由を把握して改善策を打つ
顧客の解約理由を把握するためには、定性的・定量的な分析を行いましょう。まずは、解約時に実際に顧客へのヒアリングやアンケートを行う方法が挙げられます。また、蓄積された顧客に関するデータから、解約に至った顧客に関する特徴を把握することも大切です。
顧客満足度を上げる
顧客満足度を上げるためには、商品・サービスを購入した顧客に対するアフターサービスを充実させましょう。優良顧客に対しては、特典や付加価値を提供することも検討してみてください。
4-4. 新規顧客の獲得・既存顧客の維持コストを下げる
収益率を上げる方法として、顧客獲得や顧客維持コストを下げることも重要です。どちらも必要なコストではありますが、ツールの導入やマーケティング施策の選択により効率化が可能です。
ただし、どちらも画一的に減らすというのは得策ではありません。マーケティングにおいて「1:5の法則」と呼ばれる通り、新規顧客獲得に要するコストは、既存顧客維持の5倍かかると言われています。新規と既存それぞれに最適な手段をとることが重要です。
ツールを用いて業務効率化を図る
既存顧客の維持には、SFAツールやCRMツールを活用すると良いでしょう。これらのツールを導入する際にはコストが発生しますが、マーケティングや営業活動の効率化に繋がります。中長期的に見てプラスになるかどうかという視点で判断しましょう。
費用対効果の高いマーケティング施策に絞り込む
費用対効果の高いマーケティング施策に絞り込むことで、限られた予算内での効果的なコスト配分ができます。獲得単価の良し悪しだけでなく、どの施策が顧客維持率を高められるのかという視点で見ることも重要です。
5. LTV向上施策を行う際に注意するポイント
LTVを向上するためには、着実に効果を得るための施策を検討し、定量的・定性的に効果を検証することが必要になります。また、限られた予算を有効に活用するために、費用対効果を意識した効果的な施策を行うことが大切です。
5-1. 効果検証を継続的に実施する
LTVの改善を目指すためには、顧客に対するアプローチの改善が必要となります。アプローチの改善を行うためには、継続的な効果検証を行うことが重要です。
例えば、あるサービスの改修を行う際には、改修前後の顧客の動向を比較し、改修による効果検証を行います。これにより、改修によって「何がどれだけ変化したか」を適切に計測できます。
LTVの改善には時間を要するので、効果検証を効率的に計測する環境を作っておきましょう。
5-2. 新規顧客獲得と組み合わせた施策を考える
LTVの向上は、企業の事業全体の利益を向上させるための一手段です。LTVを高めること自体が目的にならないように意識しましょう。既存顧客のLTV向上ばかりに目が行き、新規顧客獲得に手が回らず、結果的に売上が減ってしまうのでは本末転倒です。
幅広い顧客を獲得しておくことは、偏った顧客によるリスク分散に繋がり、将来的に収益増加をもたらすでしょう。新規顧客獲得と既存顧客フォローにバランスよく取り組み、全体としてのLTV向上を目指しましょう。
5-3. 費用対効果を意識する
LTV向上を実現するためには、費用対効果を意識することが大切です。
その際に意識したいのは、CPAだけではなくLTVベースでも施策を評価するということです。広告運用時の指標としてCPAがよく用いられますが、CPAとリピート率はトレードオフ関係になることがあります。
例えば、新規ユーザー向けに特典をつけたキャンペーンを売った際、獲得できるのは特典目当てのロイヤリティの低い顧客である場合があります。こうしたユーザーはリピート率が低くなる傾向にあり、たとえCPAを抑制できていてもLTVで見ると非効率な場合があります。
施策を評価するときには、CPAだけでなく、LTVベースでも施策全体の最適化を行うことを心がけましょう。
6. LTV分析で直面する3つの課題
- 「LTV施策が重要なことはわかったけど、実際LTV分析って難しい。」
- 「どうすれば効率的にLTV分析できるのかわからない。」
このような悩みをお持ちではありませんか?
ここでは、マーケティング担当者が直面しがちなLTV分析における課題を紹介します。
6-1. ①LTVを「実測」して分析するには時間がかかる
LTVの「実測」には1〜3年の時間がかかると言われています。
長い時間が必要になりますので、LTVの実測を待っている間に「競合他社に商品・サービスを真似されてしまった…」「1〜3年後にLTVが高いことがわかっても、現在実施している施策とは異なるし活かせない…」という悩みを持つ方は少なくありません。
実測データが出るのを待っている間、収益性の改善ができないと、大きな機会損失を招く恐れもあります。
6-2. ②LTVの算出やレポート化に手間がかかる
LTVの算出からレポート化するまでには大きな工数と時間がかかります。
基幹システムや広告の膨大なデータを扱う上に、それらの統合、集計、レポート化といった作業には多大な工数がかかります。また、様々な部署やチームに業務を依頼する場合は、作業者による人的ミスも発生しやすくなります。
6-3. ③社内関係者や代理店と簡単にLTVを共有できない
施策に関わる関係者がいつでも簡単にLTVを確認できる状況にない点も課題になっています。
例えば、事業者側と広告代理店側で目指すべきゴールを共有できなければ、有効な広告投資判断を行えません。また、社内関係者間においても、共通のLTV指標を即時確認できなければ、正しい判断ができません。
指標共有のための仕組みを構築するためにも多くの工数が発生するため、LTV分析に二の足を踏んでいる方も多いのが現状です。
7. D2C事業におすすめ!アドエビスのLTV予測機能「LTVForecast」とは
「LTV分析を手軽に行えたらいいのに…」とお悩みの方におすすめのツールが、アドエビス(AD EBiS)のLTV予測機能「LTVForecast」。アドエビスとは国内導入実績No. 1(※)を誇る広告効果測定ツールで、Cookie規制にも対応した高精度な計測をもとに、正確な広告効果の分析をサポートします。
※2024年8月期_指定領域における市場調査 調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
D2C事業者向けのオプション機能として開発されたアドエビスの「LTVForecast」は、LTVを予測することで、迅速な投資判断を可能にします。ここではLTVForecastの機能を紹介します。
7-1. 最短1ヶ月でLTVを予測!迅速な広告投資判断が可能に
LTVForecastの最大の特徴は、通常1〜3年かかると言われているLTVを、最短1ヶ月で把握できる点です。LTVを「実測」ではなく「予測」して把握することで、広告投資判断までの期間を圧倒的に短縮できます。
具体的には、アドエビスで計測するWeb広告データのほかに、ECカートシステムが保有する受注データ、広告費や原価などの変動費を含むコストデータをアドエビスにアップロードするだけで、各施策のLTVを予測します。
7-2. たったの2ステップで自動集計!LTV分析が簡単に
LTVForecastでは、毎月のLTV分析を簡単に実現できます。
ECデータと広告費データのアップロードという2ステップで自動集計しLTVを予測します。
予測データは、「商品」「オファー」「媒体」の3つの軸を掛け合わせて可視化し「新規顧客の獲得に効果的な施策」や「リピート購入に効果的な施策」をアドエビスの画面上で把握することができます。
このようにデータのアップロードだけでLTV分析が完結するので、複雑な業務フローやLTV算出までの工数がかかるといったお悩みとも無縁です。LTV分析のための別の部署やチームへの依頼業務もなくなるためタイムラグが減り、伝達ミスなどによる人的なミスも起こりにくくなります。
7-3. 関係者の共通言語に!チーム力UPに貢献
LTVForecastの予測データは、アドエビスの管理画面で獲得効率から収益性までの情報を網羅的に確認できます。そのため、事業責任者・新規獲得担当・CRM担当・広告代理店担当など、社内外で業務に関わる関係者に対して、簡単にLTV分析の結果を共有できます。
LTVが「共通言語」として機能することで、関係者間で認識のズレが起きにくくなり、利益を上げるための本質的な議論を可能にします。
また、チームだけでなく、企業全体として事業の成長度合いを把握し、事業が滞っている場合には「どこで何がボトルネックとなっているか」を見極めることが可能です。
8. アドエビスで新規顧客獲得とリピート売上増加を同時に実現!
LTVの向上は、企業の経営を安定化させることに繋がります。LTV向上を実現するためには、顧客との長期的な関係構築に重点を置いたマーケティング施策を実施するだけでなく、効率的にLTV分析を行うことも大切です。LTVを指標にして広告投資判断を行うことで、より適切な広告予算配分ができ、将来的なビジネス拡大に繋げられます。
例えば、新規顧客獲得施策がリピート売上に繋がったのかどうかがわかれば、広告投資の適切な判断が可能になります
売上シェアNo.1(※)の広告効果測定ツール・アドエビス(AD EBiS)のLTV予測機能「LTVForecast」を活用することで、LTV分析を最短で実施しましょう。
※2024年8月期_指定領域における市場調査 調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
「LTVForecast」に関する詳しい資料は以下より無料でダウンロードできますので、ぜひご検討ください。
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