コンバージョンAPI(CAPI)とは?仕組みや設定手順を解説
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※2024年8月期_指定領域における市場調査 調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
近年、データプライバシーの規制が厳しくなる中で、マーケティング担当者が直面する課題が増えています。
Facebook広告運用を実施している担当者の中には、コンバージョンAPI(CAPI)という言葉を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
- 「なぜコンバージョンAPIが重要なの?Cookie規制との関係は?」
- 「コンバージョンAPIにはどんなメリット・デメリットがあるの?」
- 「コンバーションAPIの設定方法を知りたい」
このように考える担当者もいるはずです。
コンバージョンAPIとは、Cookieを使用せずにコンバージョンを計測する手法で、Cookie規制の厳格化が進む中で、正確なデータ計測を行う手段の1つとして注目を集めています。
本記事では、FacebookのコンバージョンAPIのメリット・デメリット、設定方法を紹介します。さらに、コンバージョンAPIが導入されるきっかけとなったCookie規制の動向も解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
1. コンバージョンAPI(CAPI)とは
コンバージョンAPI(CAPI)は、Cookieを使用せずにWebサイト上のイベントやオフラインでのコンバージョンを計測する技術です。
Cookieとは、ユーザーがWebサイトを閲覧した際に利用環境や入力情報を記録するファイルのことを指します。詳細は後述しますが、ユーザーのプライバシーを保護するために、現在Cookieの使用を規制する動きが国内外で進んでいます。
Cookieを使用したコンバージョン計測では、計測タグがうまく動作せず、計測結果に抜け漏れが発生する恐れがあります。一方、Cookieを使わないコンバージョンAPIを活用すれば、Cookie規制の影響を受けることなく、出稿した広告効果を正確に把握できるようになります。
実際にコンバージョンAPIを導入した企業からは、従来のCookieに依存した計測と比べると広告効果が改善したという報告もあり、今後ますます注目されていく技術と言えるでしょう。
2. FacebookにコンバージョンAPI(CAPI)が導入された背景
Facebook社がコンバージョンAPI(CAPI)を導入した背景として、個人情報保護の動きが加速していることが挙げられます。これによりCookie規制が強化され、サードパーティーCookieに依存しないデータ計測環境が重要となっています。
こうしたコンバージョンAPIの導入背景について、詳しく解説します。
2-1. 個人情報保護・Cookie規制強化の動きが加速
従来はCookieを活用し、Webサイトに訪問したユーザーの情報(行動パターンや興味・関心など)を広告配信やマーケティング施策に利用することが一般的でした。
しかし、パーソナライズ広告に対する批判は日々強まっており、利用者のプライバシーを保護する動きが世界的に拡大しています。さらに、Cookieの脆弱性を突いて、Cookie内の個人情報が流出してしまうリスクも発生しており、セキュリティ対策の重要性が増しています。
こうした背景から、第三者ドメインが発行する「サードパーティーCookie」の利用を制限する流れになっています。自社ドメインが発行する「ファーストパーティーCookie」は、引き続き使用可能です。
Cookie規制の基礎知識や最新情報について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
2-2. サードパーティーCookieに依存しないデータ計測環境が重要に
会員登録や商品購入などのコンバージョンを計測するには、計測タグとサードパーティーCookieを用いる手法が主流です。しかし、サードパーティーCookieの利用制限があると、計測タグが想定した通りに動作しなくなってしまいます。計測タグがうまく動かなければ、広告経由のコンバージョンデータなどが大きく欠ける可能性があります。
正しくコンバージョン計測できないと、広告の費用対効果も把握できなくなり、どこから流入してきたユーザーが売り上げに貢献しているかも分析できません。
そのため、サードパーティーCookieに頼らない計測方法の重要度が高まっており、コンバージョンAPIの仕組みが注目されています。
3. コンバージョンAPI(CAPI)の仕組み
Cookieを利用したコンバージョン計測では、ユーザーが広告主のサイトを閲覧すると、広告主のサイトにCookieの発行を要求し、Cookieが発行されます。そして、CookieのデータをFacebook広告サーバーへ送信することで、コンバージョンが計測されます。しかし、Cookie規制によりCookie発行やCookieデータ送信が制限されると、正確なデータ計測ができなくなるのです。
一方、コンバージョンAPI(CAPI)では、広告主のサーバーからFacebook広告サーバーへ直接イベントデータを送信します。そして送信されたイベントデータをFacebook広告サーバーに登録済みのユーザー情報と照合させて、計測データを処理します。
このように、コンバージョンAPIを用いた計測ではCookieを使用しないため、Cookie規制の影響を受けずに正確なデータ計測が可能となります。
4. コンバージョンAPI(CAPI)のメリット
実際にコンバージョンAPI(CAPI)を使うと、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、以下3つのメリットについて解説します。
- Cookieに依存しない計測ができる
- 計測データの精度が向上する
- タイムリーにデータを確認できる
4-1. Cookieに依存しない計測ができる
コンバージョンAPIを用いると、Cookieを使用せずに計測可能なため、デバイスやブラウザによる規制の影響を避けられます。
今までのコンバージョン計測では、サードパーティーCookieでユーザーの行動履歴や流入元、興味関心などの情報を追跡することが一般的でした。一方のコンバージョンAPIは、サードパーティーCookie不要でコンバージョンを計測できるところがメリットです。
しかし、Cookie規制強化の動きはどんどん広がっており、今後も規制内容が変化することが想定されます。そのため、マーケティング担当者は常に最新情報をキャッチアップし、新しい技術や規制に迅速に対応することが求められます。
4-2. 計測データの精度が向上する
コンバージョンAPIでは、Cookieに依存せずにデータ計測を行うため、Cookie規制の影響で計測結果にズレが生じることはありません。
また、コンバージョンAPIでは、広告主のサーバーからFacebook広告サーバーへ直接データを送ります。そのため、広告主のサーバー内にあるマーケティング情報とのマッチングも可能です。例えば、テレビなどのメディア媒体におけるユーザーの受注履歴なども有効的に活用できるようになります。
その結果、複数のメディア媒体のデータ連携により、ユーザーに関する計測データの精度向上が見込めます。また、オンライン上のユーザー情報だけでなく、オフラインでのコンバージョンイベントも組み合わせられます。
このように、コンバージョンAPIを活用すればより精度が高いデータ計測が可能なため、各施策の費用対効果を正確に把握することができるメリットがあります。
4-3. タイムリーにデータを確認できる
コンバージョンAPIでは、広告主のサーバーとFacebook広告サーバーがダイレクトにやり取りをするため、データ連携の速度もアップします。
これにより、リアルタイムでのデータ確認が可能となり、広告施策やキャンペーンの効果をタイムリーに検証できます。また、素早いデータ連携によって、効果の低い広告施策をすぐに修正し、効果の高い施策にシフトすることも容易になります。
結果として、今までよりも速いスピードで広告施策のPDCAを回せる点もメリットです。
5. コンバージョンAPI(CAPI)のデメリット
コンバージョンAPI(CAPI)には導入や運用において注意が必要な点があります。
ここでは、以下の2つのデメリットについて解説します。
- エンジニアが必要
- 導入に手間がかかる
5-1. エンジニアが必要
コンバージョンAPIの導入にはマーケティング担当者や広告担当者以外に、エンジニアによるサポートや設計が必要です。コンバージョンAPIを導入して運用するためには、サーバーなどのITに関する専門知識が欠かせないためです。
一般的なマーケティング担当者にとってはハードルが高いため、コンバージョンAPIに対応できるエンジニアを手配しておく必要があります。人材の確保が難しい場合には、マーケター向けの別の広告効果測定ツールの導入を検討してみると良いでしょう。
5-2. 導入に手間がかかる
コンバージョンAPIを利用するためには、ITに関する専門知識だけでなく、個人情報の扱いに関する専門知識も必要です。自社のユーザー情報をFacebook社の広告サーバーに送信することになるため、法令を遵守した対応が求められます。プライバシーポリシーの見直しは必要ないかなど、法務部との確認・調整が必要となるでしょう。
さらに、外部委託でWebマーケティング施策を実施している場合、代理店なども巻き込んだ確認・調整が必要になるかもしれません。
このように、運用前後において社内外での調整作業に時間がかかってしまうことも、コンバージョンAPIのデメリットと言えます。
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6. コンバージョンAPI(CAPI)の設定方法
続いて、Facebook広告においてコンバージョンAPI(CAPI)を導入する際の設定方法について解説します。実際に設定を進める際には、エンジニアと連携しながら対応することをおすすめします。
6-1. コンバージョンAPI(CAPI)で送信する情報を決める
まずは、コンバージョンAPIでFacebookのサーバーへ送信する情報を決定します。
少なくとも「event_name」「event_time」「user_data」の3つの情報(パラメータ)は送信する必要があります。
- event_name:標準イベント・カスタムイベントの名前
- event_time:上記のイベントが発生した日時
- user_data:ユーザーに関する情報
各パラメータの内容を正しく理解する必要があるため、この段階からエンジニアと連携しておくとスムーズに進められるでしょう。
6-2. コンバージョンAPI(CAPI)で送信するイベントを決める
続いて、コンバージョンAPIで送信するイベントを決めます。
イベントの送信方法には、以下の4つのパターンが考えられます。
- イベントをFacebookピクセルとCAPIの両方で送信する
- コンバージョン計測したいイベントをコンバージョンAPIで送信する
- 重要なイベントに限定してCAPIで送信する
- イベントをすべてCAPIで送信する
1の方法ではイベントが2種類送信されてしまうので、重複してカウントされないような処理が必要です。完全にCookie依存から脱したい場合は、4の方法を検討してみましょう。
6-3. 実装方法を検討する
コンバージョンAPIを実装するための方法はいくつかありますが、ここでは代表的な4つの方法を紹介します。
- Facebookと連携できるプラットフォームを使用する
- 自社のエンジニアが仕組みを構築して実装する
- Google タグマネージャーとGoogleアナリティクス4(GA4)を使用する
- 他社が提供するコンバージョンAPI対応の計測ツールを使用する
自社でエンジニアを手配できる場合や、外部のエンジニアや委託先に頼むなどが考えられるので、自社のリソースに合った実装方法を選定しましょう。
6-4. データの取り扱いについて法務部と調整を行う
コンバージョンAPIを導入する際には、個人情報の取り扱いに十分な注意が必要です。データの取り扱いに関する法律や規制、特に個人情報保護法やGDPR(EU一般データ保護規則)を遵守することが求められます。
必要に応じて自社の法務部門と連携し、送信されるデータが法的な要件を満たしているかを確認しましょう。また、顧客から適切な同意を得ていることや、データの保存期間と削除方法についても検討が必要です。
6-5. データ送信テストを行う
コンバージョンAPIの設定が完了したら、データ送信テストを実施し、正確なデータが送信されているかどうかを確認します。テストでは「event_name」「event_time」「user_data」などのパラメーターが正しく計測されているかを検証しましょう。
また、Facebook側で受信したデータが適切に処理され、ダッシュボード上に表示されているかどうかも確認が必要です。問題があれば、設定を修正し、再度テストを実施します。
7. アドエビスなら誰でも簡単に正確なデータを計測できる!
コンバージョンAPI(CAPI)とは、Cookieを使わずにコンバージョンを計測する手法です。Cookieに依存せずにデータ計測ができるため、計測データの精度を高めることができるほか、タイムリーなデータ確認も可能となります。一方で、コンバージョンAPIを導入する際にはプログラミングなどの専門知識が必要です。
「自社だけでコンバージョンAPIを導入するのは難しい」と感じた方もいるかもしれませんが、何も対策しなければ、マーケティングで成果を出し続けることは難しいでしょう。実際にCookie規制の影響により、Facebook広告管理画面と社内の基幹システムのコンバージョンデータに最大58%ものデータ乖離が発生していた事例も。こうした状況では広告の成果を正しく把握できず、誤った投資判断につながる恐れがあります。
マーケティング施策の成果を最大化するためには、コンバージョン乖離が及ぼす影響を正しく理解し、適切な対策を取ることが重要です。Cookie規制による影響やデータ乖離の改善方法について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の資料もあわせてご覧ください。
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