F2転換率を向上させるには?D2C・EC通販(単品リピート通販)で重要な施策を解説!
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※2024年8月期_指定領域における市場調査 調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
F2転換率とは、初めて購入した顧客のうちどのくらいが2回目の購入に繋がったのかを計測する指標で、D2Cや単品リピート通販で重要な指標です。
リピーター売上が思うように伸びず、F2転換率の改善にお困りのEC担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事ではF2転換率の基本的な考え方から、単品リピート通販の売上アップを目指す施策まで解説します。是非参考にしてみてください。
目次
1. F2転換率とは?
F2転換率とは「初めて購入した顧客」のうち「2回目の購入に繋がった顧客」の割合を指す指標です。
F2転換率の“F”とは頻度(Frequency)を意味し、“2”は購入回数を示します。3回目以降の購入についても同様に「F3転換率」「F4転換率」と呼びます。
F2転換率は購入した回数だけでなく、商品の満足度を測る指標としても利用されています。
例えば、一度商品を購入した顧客が2回目の購入に進まなかった場合、商品やサービスに対して何らかの不満があったことが考えられます。
つまりF2転換率が低い場合は、商品やサービスの質を見直すことが大切です。
こうした特性から、特定の商品をリピートしてもらうビジネスモデルである「単品リピート通販」業界では、特にF2転換率が重要視されています。
2. F2転換率の計算方法
F2転換率は次の計算式で求めることができます。
例えば、100人の新規顧客を獲得し、そのうち10人が2回目の購入を行ったとします。これを計算式に当てはめると次のようになり、 F2転換率は10%となります。
F2転換率 = 10人 ÷ 100人 × 100 = 10%
関連する指標としてCPO(Cost Per Order)も押さえておきましょう。
計算式は以下の通りで、これを用いるとF2転換にかかった費用を求めることができます。
3. なぜF2転換率が重要なのか?
F2転換率が重要視されるのは、ビジネスの収益性に直結する指標だからです。
例えば、F2転換率が高い場合、以下のような効果が見込めます。
- 新規顧客に頼らずに安定的な売上を作れる
- 一人あたりのLTVが上昇する
- 新規顧客を獲得するコストを減らすことができる
ここからは、F2転換率が重要な理由について詳しく説明します。
3-1. リピーターの購入が広告費回収・黒字化のカギとなるため
広告費を回収して黒字化を目指すためには、新規顧客に2回目、3回目と継続的に購入してもらうことが重要です。
D2Cブームの近年では、新規参入企業が増加して競争が激化しているうえ、広告媒体の審査や薬機法の取り締まり強化などにより、顧客獲得単価(CPA)が高騰している傾向にあります。
また、「1:5の法則」とも言われる通り、新規顧客を獲得するには、既存顧客に購入してもらうよりも5倍のコストがかかるとされています。そのため、既存顧客に継続的に購入してもらうことで、コストを抑えて売上を上げることができるのです。
リピーターの購入を増やすためには、新規顧客に対して早めにDMやメルマガといったフォローを行いましょう。初回購入日から日があいてしまうと2回目の購入率が低くなるためです。
2回目、3回目とリピート購入を増やすことで、初回購入時の獲得コストを回収し、利益を上げることができるようになります。F2転換率を向上させるには、常にLTVを意識した戦略設計を行うことが大切です。
リピート売上やLTVを向上するための施策については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
3-2. 3回目以降の継続率は高い傾向にあるため
すでに2回購入した顧客は、3回目、4回目の購入へと推移する割合(転換率)が高くなる傾向があります。そして3回目、4回目と購入回数を重ねるごとに、継続率も高くなります。
この理由としては、複数回購入しているので購入ハードルが下がっていることや、商品に対して満足度が高いことが考えられます。また、リピート施策がしっかり取れていることの表れともいえるでしょう。
つまり、F2転換率を高めることで、その後も継続的に購入するユーザーを増やせるということです。売上を拡大させるためには、F2転換率の改善を図ることがとても重要なのです。
4. F2転換率が低下する主な原因
ここでは、F2転換率が低下した際に考えられる3つの原因を紹介します。
4-1. 商品・サービスが魅力的でない
せっかく初回購入しても、商品に満足しなければ、2回目の購入には発展しないでしょう。
そのためF2転換率が低い場合には、まず商品が顧客のニーズを満たしているのかを考える必要があります。また、他社の商品と差別化できているか、価格が適正かなども見直すポイントです。
商品だけではなく、梱包や発送連絡などのサービス面で顧客に不満を与えている場合もあり得ます。顧客との接点を洗い出し、問題が起きていないかを関係部署にヒアリングしてみると良いでしょう。
4-2. 初回購入者へのフォローができていない
初回購入者へのフォローが足りていない場合にも、F2転換率が低下することがあります。
たとえ初回購入後、商品に満足していたとしても、その商品の存在を忘れてしまい、次は別の商品を購入するパターンもあります。
そのため、購入してくれた顧客の認知から外れないように定期的にコミュニケーションを取る事が大切です。
複数の接点があれば、顧客の目に留まって思い出してもらえる機会が増えます。メールだけでなくSNSなどの接点を作れるとより良いでしょう。
4-3. 初回購入時の販促施策が過剰
初回購入に繋げるための販促施策が過剰な場合も問題です。
お試し価格が通常よりもかなり安かったため、試しに購入してみたものの、継続的に利用しなかったという経験に思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
過剰な販促施策では、ユーザーが継続的に購入する動機が弱くなりがちです。「買うつもりはなかったが、安かったのでつい買ってしまった」「後で冷静に考えたら必要のないものだった」ということが起こりやすく、残念ながら商品を最後まで使用してもらえないケースも多いです。
また、実際の商品よりも過剰に良く見せようとするプロモーションも、逆効果になることがあります。初回購入時に期待値が上がりすぎると、実物を見て「イメージしていたものと違った」と思われてしまうのです。また、実際に得られる効果とギャップがあると、不信感を抱いてリピートしなくなります。
過剰な販促施策を行うことは、ブランドイメージを毀損することにつながりかねません。そして初回購入ユーザーの数は増えてCPAを下げることはできても、継続率が低下する結果となります。
そのため販促する際には、CPAのみ重視するのではなく、LTVも含めて施策を打つことが重要です。
5. F2転換率を改善して売上アップに繋げる施策
ここまでF2転換率が低下する原因と見直すべきポイントをお伝えしましたが、ここからはより具体的にF2転換率を改善するためのポイントについて解説します。
5-1. 初回同梱物を充実させる
F2転換率を改善するためには、初回同梱物を充実させることが効果的です。
初めて購入する商品の場合、顧客は商品・ブランドについてまだ深く理解できていないことが多いでしょう。そのため、購入者にどうやって使ってもらいたいのかや、商品・ブランドに込めた想いなどを理解してもらうことが重要です。
具体的には、商品の使用方法をイラストなどでまとめたパンフレットを同梱したり、代表からの挨拶状を入れてみたりするのもおすすめです。挨拶状は顧客との距離を縮めてファンになってもらうことが目的なので、手書き風フォントを用いたり、実際に手書きしたもののコピーを使用すると効果的です。
定期購入を解約する理由として、「使い切れなかったから」という声をよく耳にします。こうした課題を事前に解消するためにも、同梱物で使い方を説明することや、顧客の体験談の紹介を差し込んで使用後のイメージを抱いてもらうのも良いでしょう。
5-2. 流入施策ごとのF2転換率を分析する
顧客が購入に至る導線によってF2転換率は変わるため、購入に繋がった施策ごとに分析しましょう。
例えば、ビジュアルを中心に訴求した広告と、効果を中心に訴求している広告があり、後者の方がF2転換率が高いとします。この場合、効果を訴求する施策を増やしていくことで、商品全体のF2転換率改善に繋げることができます。
つまり、流入施策ごとにF2転換率の良し悪しを分析することで、投資すべき広告を正しく判断できるようになるのです。F2転換率が高い広告に広告費を投じた方が、リピーターの顧客数を増やすことができます。こうした分析を正確かつタイムリーに行うためには、広告効果測定ツールなどを活用し、顧客がどの経路でコンバージョンしたかというデータを計測できる環境を整えておくことは非常に重要です。
5-3. 顧客満足度を高める
顧客に2回目の購入をしてもらうためには、顧客が商品に満足している必要があります。例えば、効果を期待して購入したとしても、期待通りの効果が得られなかったら、その商品を再度買うことはないでしょう。
F2転換率を上昇させるためには、アンケートやSNSなどを通じて購入したユーザーの声を拾い、商品・サービスの満足度を検証し、PDCAサイクルを回して改善していくことが重要です。
顧客満足度が高まることで、顧客がSNSなどを通じて商品情報のシェアを行い、新規顧客の獲得数アップも期待できるようになります。
6. EC業界におけるリピート率の改善事例
最後に、EC業界におけるリピート率が改善した成功事例をご紹介します。ぜひ成功のポイントを参考にして、自社のリピート率改善に繋げてみてください。
6-1. 顧客の“ファン度”を可視化し、定期継続率3.5%アップ!
ご紹介するのは、定期継続率を3.5%アップを実現した、健康食品・化粧品の通販ブランドサイト「ていねい通販」様の事例です。
ていねい通販では、広告効果測定ツールの「アドエビス」のほか、複数のツールを活用して顧客の行動分析を実施しています。アドエビスはWebサイトへのアクセスデータをユニークで取得できるため、ユーザーIDをキーにしてデータを統合しています。
新規顧客がどういう行動を取っているかが分からず、施策を打てていないケースもあると思いますが、今回の事例ではそうしたデータ計測の環境づくりを行い、顧客行動から顧客のファン度を可視化することを実現しました。その結果、Web上での丁寧な対応や、ファン化の強化施策実施に繋げることができ、定期継続率を3.5%アップさせることができたのです。
顧客との関係性を築き、ファンを増やして継続率をアップするには、データを可視化しお客様の行動を分析できる環境を整えることが重要といえます。
ていねい通販様の事例について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご確認ください。
7. まとめ
この記事では、D2CやEC通販(単品リピート通販)で重要なF2転換率について紹介しました。
新規顧客の獲得には高いコストがかかることから、売上を安定させるためにはリピーターを増やしていくことが重要です。新規顧客からリピーターに転換するタイミングのF2転換率を改善することで、売上アップに繋げていきましょう。
F2転換率を改善するためには、商品・訴求内容・広告ごとにF2転換率や平均売上、投資回収期間を分析・把握することで、スピーディーにPDCAサイクルを回し、収益性の高い施策への広告投資を増やしていくことが必要です。
リピート通販ビジネスにおいて新規顧客を獲得し、リピート売上を増加させるためのポイントについて詳しく知りたい方は、以下の資料もぜひご覧ください。
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