データドリブンマーケティングとは?導入ステップやツールを紹介
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データドリブンマーケティングとは、データ主導で意思決定をするマーケティング手法です。顧客の購買データやWebサイトでの行動データなど、オンライン・オフライン問わずさまざまなデータを統合して把握・分析することで、客観的な判断を行います。
特に現代では顧客が触れるチャネルが増えていることから、購買行動が複雑化しており、重要度が増している手法です。
しかしながら
- 「データドリブンマーケティングとは、具体的にどういうことか」
- 「データドリブンマーケティングを行うためにはどうしたらいいか」
と悩んでいるマネージャーやマーケティング担当者の方もいるのではないでしょうか。
本記事では、データドリブンマーケティングについて紹介するとともに、重要性や導入ステップ、活用できるツールまで分かりやすく解説しますので、参考にしていただければ幸いです。
目次
1. データドリブンマーケティングとは?
データドリブンマーケティングとは、データ主導(Driven)で施策の実行・増減・停止などの意思決定をするマーケティング手法です。
ここでいう「データ」とは、Webサイトへ訪問したユーザーの行動データや、ECサイト・実店舗における購買データなど、オンライン・オフラインを問わず、マーケティング戦略の意思決定に必要なあらゆるデータのことを指します。
従来のマーケティング戦略のなかでは、「これまでも実施していたから」「以前成果が出ていたから」など、担当者の過去の経験則や感覚によった意思決定が行われることもしばしばあったのではないでしょうか。
データドリブンマーケティングでは、これらの勘や経験則をできる限り取り除き、事実となるデータをもとに意思決定を行います。
2. なぜデータドリブンマーケティングが重要なのか?
データドリブンマーケティングが重要視される背景として、外部環境の変化があります。
昨今のマーケティング業界では、コロナ禍による購買のオンライン化など、消費者行動が大きく変化しました。また、SNSを中心とした個人による口コミの発信が大きな影響力を持っているほか、広告における表現規制が強化されるなど、さまざまな外部環境の変化が起こっています。つまり、顧客が購買に至るまでのタッチポイントがこれまで以上に複雑化しているということになります。
こうした外部環境の変化によって、現代のビジネス環境ではVUCA(ブーカ)という概念が注目されています。
V:Volatility(変動性)
U:Uncertainty(不確実性)
C:Complexity(複雑性)
A:Ambiguity(曖昧性)
これら4つのキーワードの頭文字を取った造語で、社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる状況のことを意味します。
マーケティングにおいても、このような変化の激しいビジネス環境をいち早く認識し、データにもとづいて経営リソースを素早く再構築・再編成することが重要になります。
VUCA時代においては、これまでの業務改善フレームワークとして活用されていたPDCAに代わり、機動性に富んだ意思決定をするためOODA(ウーダ)ループを意識する必要があります。
OODAループとは、
O:Observe(観察)
O:Orient(状況判断)
D:Decide(意思決定)
A:Act(行動)
の頭文字をとったもので、「見て、判断し、意思決定して、動く」という意味になります。
計画してから実行するPDCAと異なり、OODAループは「客観的な情報を見て判断し、とりあえずやってみる」という身軽さがあります。状況が刻々と変化するVUCA環境においては、失敗を恐れずに高速でトライアンドエラーを繰り返すOODAループが向いているのです。
3. データドリブンマーケティングを行う上での課題
データドリブンマーケティングを行う上での課題として、「データ集計やレポーティング作業の工数過多」に悩むWebマーケターの現状があります。
2022年、企業でWebマーケティング関連業務に携わる659名を対象にイルグルムが行ったアンケート調査(※)によれば、マーケター・マーケティングマネージャーの7割以上が「データマネジメント・DX」の重要性の高まりを実感しています。
特に、この調査によって多くのマーケターが施策における「データ分析、改善案の検討」に注力するために「施策の効果検証(データ集計、レポーティング作業など)」の工程を効率化したいと考えていることがわかりました。
データ集計やレポートティング作業は、データドリブンマーケティングな意思決定のためには欠かせない工程です。そのため、これらの作業をより効率化することで、マーケティング施策の成果をスピーディーに把握・評価し、それらのデータをもとに最適な投資判断ができる環境を整備することが急務となっています。
※ 調査概要:「企業のWebマーケティングにおける、データ活用・DX推進に関するアンケート調査」
4. データドリブンマーケティングの導入ステップ
では、データドリブンマーケティングを実現するためには具体的に何をすれば良いのでしょうか。ここでは、データドリブンマーケティングを導入する方法を「収集」「可視化」「分析」「施策の実施・検証」の4つのステップに分けて解説します。
4-1. 【Step1】データを収集する
データドリブンマーケティングを実施するためには、まず元となるデータがなければ始まりません。
正確な意思決定を行うために必要なデータは多岐にわたります。代表的なものを挙げると以下の通りです。
- 顧客の購買データ
- 顧客の属性情報
- 顧客の興味や関心に関するデータ
- Webサイトの閲覧データ
- メールの開封率
- SNSにおける投稿データ
これらのデータを収集するための受け皿となるPOS(販売時点情報管理)や効果測定ツール・アクセス解析ツールなどの環境整備もデータ収集のプロセスに含まれます。
さらに、収集したデータは、顧客に紐づく形で統合する必要があります。データを一元管理するためのデータウェアハウス(DWH)やデータマネジメントプラットフォーム(DMP)の導入も必須です。
4-2. 【Step2】データを可視化する
収集・統合したデータがあるだけではあまり意味がありません。収集したデータを分析しやすいように、ノイズとなる余分なデータを取り除き加工して可視化することで、ようやく意味のある情報として活用できるようになります。
表やグラフなど、データの特性に合った形に可視化することで、加工前のデータからは見えてこなかった顧客行動の傾向や周期性などを把握することができます。
データの可視化には、TableauやLooker Studio(旧Googleデータポータル)などのBIツールを使用することが多いでしょう。
4-3. 【Step3】データを分析する
次に、可視化したデータを分析します。
データ分析で重要なのは、目的を明確にすることです。無目的にデータを眺めるだけでは意思決定に必要な情報は見えません。例えば、実施しているマーケティング施策の継続可否を決めるのか、最も費用対効果の良い広告媒体を探すのかでは、行うべきデータ分析方法は異なります。目的に応じた分析を実施し、施策の課題の洗い出しや新たな仮説設定に役立てましょう。
従来のマーケティングで行われていた経験則に基づく意思決定も、データ分析でエビデンスを見つけることができれば、データドリブンマーケティングに昇華させることが可能です。
4-4. 【Step4】施策を実行して検証する
データ分析から得られた情報をもとに、具体的な施策やアクションに落とし込みます。実施した施策は、さらに効果検証を行うことが重要です。
データドリブンマーケティングだけに限りませんが、施策は実行するだけでなく、目標達成という成果に結びつけてこそ意味があります。施策実行後には必ずデータに基づいた効果検証を実施し、さらなる施策改善へ繋げていくことが大切です。
5. 広告戦略におけるデータドリブンマーケティング
続いて、広告戦略におけるデータドリブンマーケティングについて見ていきましょう。
株式会社電通の調査レポートによると、2021年にはインターネット広告費がマスメディア4媒体の広告費を上回りました。オンライン化が加速し、インターネット上でのマーケティング施策が急増するなかで、インターネット上の顧客行動を正しく把握・分析することが重要になっています。
広告戦略でデータドリブンマーケティングを行う際には、以下の4点が重要です。
- 広告効果を正確に測定すること
- ユーザー行動を可視化すること
- 効果的なデータ分析を実施すること
- 施策を改善してWeb施策の成果の最大化に繋げること
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
5-1. 正確な広告効果の測定
広告戦略におけるデータドリブンマーケティングでは、正確な広告効果の測定が肝になります。
データドリブンマーケティングは正しいデータが取れることを前提としたマーケティング手法であり、集めたデータに誤りがあれば、それをもとに行う判断もまた適切なものではなくなってしまうからです。
しかし、近年のCookie規制により、通常のアクセス解析ではユーザーのWebサイト上での行動データは一部欠損することも多くなりました。
また、広告媒体の多様化も正確な計測を妨げる一因となっています。ユーザーが複数の広告を経由してWebサイトへ流入してコンバージョンした場合、コンバージョンが重複測定されてしまうことがあるのです。
そうしたデータの欠損や重複を防ぐためにも、正確な広告効果測定環境の整備は必須と言えます。
5-2. ユーザー行動の可視化
広告以外の経路も含め、ユーザー行動を正確に可視化することも重要です。
チャネルが多様化した現代において、ユーザーが1つの媒体や広告のみを経由して購買に至ることは稀です。ダイレクトメールで商品を知り、SNSで商品を検索しレビューを閲覧、数日後にWeb広告を経由してコンバージョンをするといった複雑な経路をたどることも珍しくありません。
そうしたユーザー行動を前提に、データドリブンな広告施策においては、広告以外も含めたデータを見る必要があります。マーケティングプロセス全体のうち、間接効果も含め広告がどのような役割を果たしたのかを把握するため、ユーザー行動を把握し分析しましょう。
5-3. 効率的なデータ分析
Web広告は、リスティング広告や動画広告、SNS広告など多くの種類があります。そのため、広告効果について効果的なデータ分析をするためには、複数の広告を一元管理できる、広告効果測定ツールの活用がおすすめです。
広告効果測定ツールは、データ収集の自動化機能や他のマーケティングツールとのデータ連携機能があるかどうかを選定ポイントにすると良いでしょう。データ収集や統合にかかる工数削減や人的ミスを避けることが可能です。
また、分析結果を表示するダッシュボード機能にも注目しましょう。ビジュアライズされたデータがわかりづらく、担当者が再加工することになっては本末転倒です。担当者のスキルや社歴に関係なく、誰が見てもわかりやすいダッシュボードを備えたツールを選ぶと良いでしょう。
5-4. 施策を改善してWeb施策の成果を最大化
分析したデータをもとに広告施策を改善し、成果の最大化に繋げましょう。
データをもとに改善し、目標達成や売上などの成果につなげることがデータドリブンマーケティングの目的です。スピーディーな意思決定のためにも、データ収集・可視化・分析を効率的に行えるよう環境を整えましょう。
広告戦略におけるデータドリブンマーケティングでは、成果の最大化に直結する作業にのみ工数を割り当てられるよう効率化することが大切です。広告入稿やデータ集計等の本質的ではない作業にかける時間をできる限り少なくできるよう、ツールを導入するなど対策しましょう。
6. データドリブンマーケティングに活用できるツール
データドリブンマーケティングに活用できるツールとして、6つのツールを紹介します。
- 広告効果測定・アクセス解析ツール
- DMP(データマネジメントプラットフォーム)
- MA(マーケティングオートメーション)
- CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)
- SFA(セールスフォースオートメーション)
- セルフサービスBI
マーケティング活動のフェーズごとに適切なツールを導入することで、データドリブンマーケティングを効率的に行うことができます。
各ツールの詳細については以下の記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。
【厳選】マーケティングツール15選を比較!課題・目的に合った選び方も解説
6-1. 広告効果測定・アクセス解析ツール
広告効果測定ツールとは、企業で運用している広告の成果や費用対効果を一元管理し、計測・分析・可視化できるマーケティングツールです。また、アクセス解析ツールは「Webサイトそのもの」のアクセス状況や訪れているユーザーの属性を計測・分析できるツールです。
データドリブンマーケティングにおける広告とWebサイトのデータ収集・可視化・分析を担うツールです。単体でも使用できますが、次以降で紹介するDMPやSFA等と連携することで、さらに多角的な分析を行えます。
6-2. DMP(データマネジメントプラットフォーム)
DMP(データマネジメントプラットフォーム)は、社内の多くのデータや外部の企業が提供するビッグデータを一元管理し、収集・分析することで、マーケティング施策へ繋げるためのプラットフォームです。
DMPは、さまざまなデータを一元管理する「箱」としての役割があり、データドリブンマーケティングにおける「データ収集」の部分を担います。
6-3. MA(マーケティングオートメーション)
MA(マーケティングオートメーション)は、マーケティングに関わる作業やワークフローを自動化し測定してくれるソフトウェアです。主に、集客したリード(見込み客)の顧客化や購買意欲を高めるために活用されます。
データドリブンマーケティングにおいては、収集した顧客データをもとにMAのシナリオ作成に役立てるなど、より効果的な「打ち手」の1つとして活用できます。
6-4. CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)
CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)は、顧客の属性情報や購買履歴情報、サービスの利用情報など多様なデータを管理するためのソフトウェアです。主に、顧客に関わる情報を一元管理する際に使用されます。
データドリブンマーケティングにおいては、顧客別でのデータを活用してセグメントを作成する際などに活用することができます。
6-5. SFA(セールスフォースオートメーション)
SFA(セールスフォースオートメーション)は、営業活動に関する情報をデータ化して活用し、営業業務の効率化や生産性の向上を目指したシステムです。主に、営業活動の可視化や、MAやMDPと連携して活用されます。
データドリブンマーケティングにおいては、MAと連携したマーケティング活動への活用、DMPと連携した広告配信への活用を行う際に使用されます。
6-6. セルフサービスBI
セルフサービスBIは、エンドユーザー自身がデータ抽出やレポート作成、データ分析を行うことができるBIツールです。SFAやCRMと連携することができ、インタラクティブなデータ分析ができます。
データドリブンマーケティングにおいては、データの可視化・分析の際に活用します。
7. アドエビスなら、正確なデータを効率的に収集・分析できる!
本記事では、データドリブンマーケティングについて紹介し、導入ステップとツールを解説しました。
広告戦略におけるデータドリブンマーケティングでは、以下の4つの要素が重要であるとお伝えしました。
- 正確なデータ収集
- ユーザー行動の可視化
- 効率的なデータ分析
- 施策の改善
これらすべてを叶えるツールとしておすすめなのが、国内導入実績No.1(※)の広告効果測定ツール「アドエビス(AD EBiS)」です。
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