アトリビューションモデルとは?モデルごとの特徴や選び方を解説
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※2024年8月期_指定領域における市場調査 調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
アトリビューションモデルとは、ユーザーがコンバージョンするまでにたどった広告などの流入施策に対してどの程度貢献度を割り当てるかを決めるためのルールです。
アトリビューションモデルを活用することで、どの広告がどのくらいコンバージョンに寄与しているのかを把握できます。
本記事では、6種類のアトリビューションモデルの特徴について触れたうえで、自社に適したモデルの選び方を紹介します。
- この記事で分かること
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- 広告運用時にアトリビューションモデルを活用するメリット
- アトリビューションモデル6種類の特徴
- 自社に適したアトリビューションモデルの選び方
目次
1. アトリビューションモデルとは
まずは、アトリビューションモデルの概要、それを解説するうえで前提となるアトリビューションの意味、アトリビューション分析の必要性について解説します。
1-1. アトリビューションとは「コンバージョンへの貢献度」を測ること
アトリビューションとは、ユーザーがコンバージョンに至るまでにたどった広告などの流入施策を評価し、それぞれに貢献度を割り当てることを指します。
広告を経由したコンバージョンは一般的に、広告を認知(見る)→クリック→ランディングページへのアクセス→コンバージョンという経路をたどります。しかし、実際のユーザー行動はそこまで単純ではありません。
例えば、1回の広告表示ではコンバージョンに至らず、数日間検討した後に別の広告をクリックして問い合わせや売上が発生するパターンもあります。このようさまざまな経路の貢献度を可視化することが、アトリビューションの考え方です。
⇒ アトリビューション分析とは?メリット・実際のやり方を解説
1-2. アトリビューション分析の必要性
広告の評価を行うには、ラストクリック(コンバージョン経路の最終段階)での測定が一般的です。
しかし、クロスチャネルやクロスデバイスの浸透によって流入経路が増えつつある現在の環境下では、ラストクリックのみでの評価方法だと、間接的にコンバージョンへ寄与した広告などを正しく評価できない恐れがあります。
一方で、アトリビューション分析を用いることにより、コンバージョンに貢献する接点を明確にし、ユーザーの心理や行動を細かく把握可能です。
例えば、認知拡大や興味喚起、購買意欲の動機付けといった広告の間接効果も含めて評価できるため、コンバージョンへと至るまでの各広告における予算配分の最適化や、広告施策全体の費用対効果の最大化にもつながります。
1-3. アトリビューションモデルの概要
アトリビューションモデルとは、コンバージョン達成までの経路に貢献度を割り振る際のルールのことです。どの広告またはどの接点に、どの程度の貢献度を割り振るかを決定するのに役立ちます。
詳しくは後述しますが、アトリビューションモデルは以下の6種類に分けられます。
- ラストクリック
- ファーストクリック
- 減衰
- 線形
- 接点ベース
- データドリブンアトリビューション(DDA)
2. アトリビューションモデルの6つの種類
ここでは、6つのアトリビューションモデルそれぞれの特徴を解説します。
2-1. ラストクリック
ラストクリックモデルは、コンバージョンが発生した際、最後に見た広告に100%の貢献度を持たせる考え方です。
このモデルは、ユーザーの行動や意思決定に直接影響を与えた接点を明確に把握できる点が特徴的です。また、Google広告やYahoo!広告では、ラストクリックモデルがデフォルトで設定されていることから、使用機会の多いモデルといえます。
顕在顧客に対する広告や期間限定のキャンペーンの評価には効果的ですが、実際にそのラストクリックに至るまでの他の動画や記事広告など、潜在ニーズを持つユーザーを対象とする場合には不向きです。
2-2. ファーストクリック
ファーストクリックモデルは、コンバージョンが発生した際、最初に見た広告に100%の貢献度を持たせる考え方です。ラストクリックモデルとは正反対の評価方法で、コンバージョンに至るまでの最初のきっかけを把握する際に役立ちます。
認知拡大やブランディングなど広告の露出を目的とするケースに適しており、新規ユーザーとの接点を新しく構築したいときに有効なモデルです。
2-3. 減衰
減衰モデルは、コンバージョンが発生した際のすべての接点に貢献度を割り当てる考え方です。ただし、貢献度を割り当てる際は、コンバージョンにより近い接点ほど貢献度を高く評価し、それより前の接点に向かうほど貢献度が低くなっていくように評価します。
例えば、コンバージョン経路に5つの接点がある場合、コンバージョンに最も近い接点を45%、それより前の接点は25%、15%、10%、5%といった形で貢献度を割り当てます。
成果に近い部分に重きを置いて評価するため、接点全てを評価しつつも、直接コンバージョンが発生した経路に重きをおきたい場合に有効です。
2-4. 線形
線形モデルとは、コンバージョンが発生した際、すべての接点に同じ割合で貢献度を割り当てる考え方です。例えば、コンバージョン経路に5つの接点がある場合は、それぞれ20%ずつ貢献度が割り振られます。
このモデルは、初回接触も直接の経路もすべて等しく評価したい場合に適しています。ただし、効果が高い接点を判断するためには、ある程度のデータ量が必要です。
2-5. 接点ベース
接点ベースモデルは、減衰、線型と同様に全ての接点に貢献度を割り当てる考え方ですが、貢献度を割り当てる配分が異なります。
すべての接点に同じ割合で貢献度を割り当てる線形に対して、接点ベースでは、コンバージョン経路の最初と最後の経路にそれぞれ40%の貢献度を割り当て、その他の経路に対して残りの20%を均等に分配します。コンバージョンに近い接点と、初回の接点を同程度に評価したい場合に有効です。
2-6. データドリブンアトリビューション(DDA)
データドリブンアトリビューション(DDA)は、機械学習を利用した動的なアルゴリズムをもとに、それぞれの接点に貢献度を割り振る考え方です。
ほかのモデルではあらかじめ貢献割合が決まっていますが、DDAではアカウントに蓄積された大量のデータやキャンペーンの目的などをもとに貢献度が変化します。
Google広告内で利用できるモデルですが、利用するには以下のように一定の条件を満たさなくてはなりません。
コンバージョンアクションの種類によっては、サポート対象ネットワークで30日以内に300回以上のコンバージョンと3,000回以上の広告インタラクションが必要な場合があります。このようなタイプのコンバージョンアクションのデータドリブンアトリビューションの使用中に、過去30日間でサポート対象ネットワークでの広告インタラクション数が2,000回未満に減少するか、コンバージョンアクションのコンバージョンが200回未満になると、このモデルの利用を継続できなくなります。この水準以下にまでデータ量が減少するとアラートが表示され、その後30日間にわたり引き続きデータ量が低い場合、該当のコンバージョンアクションは「ラストクリック」アトリビューションモデルに切り替わります。
3. 自社に適したアトリビューションモデルを選ぶ方法
最後に、自社に適したアトリビューションモデルを選ぶ方法についてご紹介します。
- 商品・サービスの販売サイクルから選ぶ場合
- 事業の成長戦略から選ぶ場合
- ユーザーの行動傾向を分析したい場合
それぞれの選び方について、詳しく見ていきましょう。
3-1. 商品・サービスの販売サイクルから選ぶ場合
取り扱っている商品やサービスの販売サイクルが長いか短いかで、適するアトリビューションモデルは異なります。
販売サイクルが長い商品やサービスを扱っている場合は、接点ベースモデルが適しています。こうしたケースでは販売サイクルが長い分、コンバージョンに至るまでの接点が多くなるため、一つひとつの接点に評価を与えられるためです。ユーザーからの反応を獲得するために有効なチャネルやメディアの特定にも役立ちます。
一方、販売サイクルが短い商品やサービスを扱っている場合は、ラストクリックモデルやファーストクリックモデルがおすすめです。これらのケースでは、販売サイクルが短い分、コンバージョンに至るまでの接点が少ないため、特定の接点のみを評価できるモデルが適しています。
3-2. 事業の成長戦略から選ぶ場合
新規顧客の獲得や市場シェアの拡大といった、事業拡大を目的とする場合には、ファーストクリックモデルや接点ベースモデルが適しているケースが多いです。この2つのモデルは、潜在層を含むユーザーにアプローチしやすく、認知拡大にも重きを置いて評価できます。
一方、既存顧客の維持や収益の維持など、事業を堅調に進めていきたい場合は、ラストクリックモデルが適しています。ラストクリックモデルは、比較的購買層に近い層へのアプローチを重視するため、費用対効果を高めやすいことが特徴です。
3-3. ユーザーの行動傾向を分析したい場合
ユーザーの行動傾向を詳細に分析したい場合は、線形モデルが効果を発揮します。線形モデルでは、すべての接点に均等な貢献度を割り当てるため、施策全体の効果測定がしやすいことが特徴です。
この利点を活かして、カスタマージャーニーマップに落とし込むことも有効です。マップを作成する際は、認知からコンバージョンに至るまでの経路ごとに、ユーザーの心境や感情などのインサイトを設定する必要があります。
線形モデルを活用することで、ユーザーへの認知からアクションを得るまでの経路と、それぞれの貢献度が明らかになるため、マップ作成に必要なインサイトを探りやすくなります。
4. Google広告におけるアトリビューションモデル設定の方法
Google広告で、アトリビューションモデルを設定する大まかな流れは以下の通りです。
- [目標]メニューから[概要]を選択
- [新しいコンバージョンアクション]をクリックし、新規コンバージョンを作成
- トラッキングするコンバージョンの種類を選択
- コンバージョンを測定するサイトのURLを入力
- コンバージョンアクションを手動で作成
- コンバージョンの詳細の設定画面を表示・設定。画面下部にアトリビューションの設定がある。
- アトリビューションモデルを選択
- 設定したアトリビューションモデルを変更したい場合は、[目標]>[概要]>【コンバージョン目標】>画面内で対象となるコンバージョンアクションを選択>設定を編集、を選択
5. アドエビスを活用してWeb広告の最適化を図ろう
アトリビューションモデルは、ユーザーがコンバージョンに至るまでにたどった広告などの流入施策が、それぞれどの程度貢献したかを評価するためのルールです。正しく活用できれば広告の費用対効果の向上につながり、効果的な広告戦略の立案に役立ちます。
主なアトリビューションモデルは6種類あり、商品・サービスの販売サイクルや、事業の成長戦略などと照らし合わせながら、より効果を発揮できるモデルを選択しましょう。
アトリビューション分析を行う上でおすすめなのが、国内導入実績No.1(※)を誇る広告効果測定ツール「アドエビス」です。
※2024年8月期_指定領域における市場調査 調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
アドエビスでは、広告単位でのコンバージョン経路が一画面で可視化でき、ユーザーが接触した施策、順番などを詳細に分析できます。媒体管理画面上やGA4に比べて、障壁なく簡単に分析を進めることが可能です。
さらに、「アドエビス」には以下のような強みがあります。
- ラストクリックだけでなく、間接効果も含めて広告の費用対効果を評価できるアトリビューション指標として「間接効果」「再配分CV」「TROAS」を搭載
- 直感的に使いやすい管理画面で、初心者の方でも容易に操作できる
- 媒体管理画面上やGA4に比べて、障壁なく簡単に分析を進めることが可能
- 専任担当者による手厚い導入支援プログラムにより、導入時の障壁が少ない
- 3rd Party Cookie規制に対応した最新の計測方式を採用しており、流入施策の成果を正確に把握できる
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