広告運用のレポート作成|目的とレポート作成時のポイントを解説
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広告運用におけるレポート作成は、改善のPDCAを回すために欠かせない業務の一つです。しかし、結果や分析が明確に伝わらず、効率的な作成方法が分からない方も多いのではないでしょうか。
広告運用のレポートを作成する際は、作成の目的を明確にし、構成に沿って作成することがポイントです。この記事では、広告運用レポートの目的や基本的な構成、作成時のポイントについて解説します。
- この記事で分かること
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- 広告運用レポートの目的と重要性
- 効果的なレポートの基本的な構成
- 分かりやすいレポート作成のポイント
- レポート作成の効率化手法
目次
1. 広告運用のレポートを作成する目的
広告運用レポートを作成する目的には、主に以下3つがあります。
- 成果の報告や認識の統一
- 改善点の明確化
- ノウハウの蓄積
それぞれ見ていきましょう。
1-1. 成果の報告・認識の統一
広告運用担当者や上司(広告運用を代行している会社であればクライアント)にとって最も気がかりなのは「配信した広告で効果が生まれたか」という点です。
広告運用担当者であれば日々のモニタリングによって成果を把握できますが、上司やクライアントは成果報告を受けないと現状把握や正しい意思決定が行えません。
運用状況が正しく理解できていないと、施策に対する協力を得られなかったり、契約を終了されたりする可能性も高くなります。
レポートの役割は、このような事態を避けるために、広告の成果報告とその結果に関する認識の統一をすることです。具体的には、コンバージョンや広告の費用対効果「ROAS(ROI)」が適切に得られたかどうか、CPAが適切かどうかなどを、社内の上層部やクライアントに知らせる役割を担っています。また、関係者の期待値を管理するのもレポートの重要な役割です。
1-2. 改善点・ネクストアクションの明確化
広告は一度出稿して終わりではありません。運用によって得られたデータから改善点やネクストアクションを明確化し、PDCAサイクルを回す必要があります。
改善のPDCAを適切に繰り返せば広告の費用対効果を高めることができます。ただし、広告で得られるデータは出稿先の媒体管理画面ごとにUIや仕様が異なるため、視認性が悪かったり、データの理解が難しかったりする場合も多く見られます。
そんな時は広告のレポートを作成すると、多岐にわたるデータを1か所に集約できます。1か所にデータを集めることで過去のデータと比較しやすくなり、ボトルネックも一目で分かるため、適切な次のアクションを明確にする手助けをします。
ただし、出稿先の媒体によっては、CVの算出方法など、異なるロジックで数値が算出されている可能性もあり、横並びで確認する際は注意が必要です。
1-3. ノウハウの蓄積
広告運用のレポートを作成しておくと、どのようなアクションが良い結果あるいは悪い結果につながったのかといったノウハウを蓄積できます。
例えば、以下のような要素をもとに広告を配信し、その結果どのような成果が得られたのかという情報があげられます。
- ターゲットやキーワードの設定
- 広告媒体
- 広告文
- 予算設定 など
このような情報をノウハウとして蓄積できれば、自社の広告運用の改善にも効果的です。特に経験の浅いメンバーが広告運用担当になった際は、社内に広告運用レポートという形で蓄積されたノウハウを活かせるでしょう。
また、レポートを残しておくことで、担当者によって運用成績が大きく変わってしまうといった事態を避けることができます。
2. 広告運用レポートの基本的な構成
広告運用レポートを作成する際には、以下の4つの要素を含めましょう。
- 結果(現在の数値)
- 直近で取り組んだ施策と運用データ
- 課題・考察
- ネクストアクション
それぞれの要素について、詳しく解説します。
2-1. 結果(現在の数値)
詳細の前に結果を伝えることはビジネスの基本ですが、これは広告運用レポートの場合も同様です。結果や結論はサマリーとも呼び、レポートのまとめ(最も伝えたいこと)や運用による結果全体のデータを示します。
Web広告の結果として用いられる主な指標は下記のとおりです。
- インプレッション
- クリック数
- クリック率(CTR)
- クリック単価(CPC)
- コンバージョン数(CV)
- コンバージョン率(CVR)
- コンバージョンの獲得コスト(CPA)
この中から目的に応じた重要項目を抽出し、その推移を表・グラフに集計します。結果を提示する際は、単なる数値の羅列として載せるのではなく、数値が示す意味や全体的なパフォーマンスの傾向を明確に伝えることが大切です。また、上記指標以外にも、売上に対する広告効果をみるためのROASや利益に対する投資効果がわかるROIまで算出できると、より正確に広告施策の効果を判断することができるようになります。
⇒ 広告におけるCPAとは?設定方法や改善のためのポイントを解説
⇒ 広告におけるコンバージョンとは?CVを増やすためのポイントを解説
2-2. 直近で取り組んだ施策と運用データ
次に、直近で取り組んだ施策とその運用データを記載します。広告配信でどのような施策を行い、それによって指標がどれぐらい変化したのかを具体的に示すことがポイントです。前回の数値との差を明確にすることで、冒頭で提示した結果をより分かりやすく補足できます。
具体的には以下のような切り口があげられます。
- 時間軸
- デバイス軸
- キャンペーン軸
- 広告グループ軸
訴求軸やターゲット軸は、広告の管理画面だけだと十分に分析できませんが、運用データとしては有用なので、別途、広告効果測定ツール等でデータを取得できると分析の幅が広がります。
広告運用の最適化を目指すなら、レポートを通して良い点・悪い点を客観的に捉え、分析結果を具体的なアクションに反映させることが重要です
⇒ 広告分析とは?進め方やポイント、見るべき指標の種類を解説
2-3. 課題・考察
結果から課題の発見や考察をする際は、前回と今回を比較し、数値が変化した要因を探ります。
その際、成功したキャンペーンなどの良い点・広告コピーやターゲティング設定などの見直しが必要な悪い点をすべて洗い出すことが大切です。良い点は改善策に向けたヒントとして、悪い点は現状の課題の特定に活かせます。
また、現時点での課題を再設定する際は、実施した施策の結果と今回の結果から浮上した問題点の両方を考慮することがポイントです。
「なぜ現時点でその課題を設定したのか」という根拠をコメントとして付けておくと、関係者にも情報を共有しやすくなり、コメントを通じて次回の施策に向けた全員の共通認識を持つことができるため改善のPDCAもスムーズに進められます。
2-4. ネクストアクション
最後に、課題・考察の結果を踏まえて、ネクストアクションのプランを検討します。今後の実施する施策の内容や、実施方法の詳細、施策後に改善が期待できる課題などについて整理をしましょう。
また、施策の途中で想定通りに進まないケースも少なくないため、A案「ターゲティング精度を向上させてコンバージョン率を改善」、B案「予算増加でリーチを拡大」など、複数のアクションプラン(代替案)を検討しておくことが大切です。
3. 分かりやすい広告運用レポートを作成するポイント
ここでは、分かりやすい広告運用レポートを作成するためのポイントとして、以下の5点を紹介します。
- データを比較し変化を見せる
- 事実と推論(仮説)を分けて伝える
- 総論から各論に段階的に展開する
- グラフ等を使い視覚的に理解しやすくする
- レイアウト・色使いなどにも気を配る
一つずつ解説します。
3-1. データを比較し変化を見せる
広告運用レポートで成果を報告する際は、過去のデータと比較して変化を示すようにしましょう。
「クリック数が●件」「コンバージョン数が●件」といった単月の数値だけではその数値の良し悪しを評価することはできません。過去のデータを比較対象として一緒に提示することで、パフォーマンスの傾向や改善の度合いが明確になります。
昨年比や前月比をもとに現状の状態や改善点、ネクストアクションを洗い出し、改善のPDCAを回すことで、目標に近づけていきましょう。
3-2. 事実と推論(仮説)を分けて伝える
広告運用レポートではデータとして示された「事実」と、それをもとに導き出す「推論(仮説)」を必ず分けて伝えます。客観的なデータと広告運用者の意見を混ぜて伝えると、レポートを受け取る相手が混乱し、適切な意思決定を阻害する恐れがあります。
ただし、広告の成果を改善するためには、推論(仮説)をもとにした検証が必要です。レポートで事実を述べても、改善点やネクストアクションを導き出せなければ意味がありません。事実と推論(仮説)を両方示し、それぞれを明確に切り分けて伝えることが重要です。
また、推論を導き出す際には運用者の主観に頼らず、客観的なデータや数値に基づいて考察を行うよう心がけましょう。そうすることで、レポートの信頼性が高まり、より建設的な議論や意思決定につながります。
3-3. 総論から各論に段階的に展開する
レポートは、総論(サマリー)から各論(詳細)へと段階的に展開する構成にすることが大切です。
レポート作成者は、総論から各論までを把握した上で作成しているため、構造の不備を見落としがちです。しかし、読み手は全体像を把握しないまま詳細や枝葉の情報が提供されると、現状のステータスや課題を正確に理解できません。
例えば、サマリーでは全体の成果を要約し、次に個別のキャンペーンやターゲット層ごとの成果分析に進むなど、読み手が段階的に理解できるよう構成しましょう。
3-4. グラフ等を使い視覚的に理解しやすくする
広告のレポートでは、グラフや図、表を積極的に使用し、視覚的に理解しやすいように作成することを心がけましょう。数値が大量に並んでいるだけのレポートでは、読み手に内容が伝わりにくくなります。
例えば、パフォーマンスの推移を示す際には折れ線グラフ、広告予算の配分を示す際には円グラフを使用することで、データの理解を促進できます。
また、グラフや図、表には、重要な箇所に色付きの枠を設けて目立たせるなどの工夫も有効です。視覚的な要素を効果的に取り入れることで、読み手は複雑なデータや傾向を直感的に理解しやすくなります。
配色の選定には、Adobe Colorなどのツールを活用すると、視認性を高めた効果的な配色を選びやすくなります。
3-5. レイアウト・色使いなどにも気を配る
1ページ内に多くの情報を詰め込むとレポートの内容が分かりづらくなります。適度に余白を設け、レイアウトやページ構成に気を配りましょう。
また、レポート内で使われている色が多すぎたり、不自然な配色だったりすると、視認性が低下します。レポートの色はメインカラー、サブカラー、アクセントカラー(補色)の3色程度に抑えることを基本にしましょう。
4. 効率的に広告運用レポートを作成するには
広告運用レポートの作成を効率化することで時間短縮につながり、重要な分析や戦略立案に時間を割くことができます。ここでは、効率的に広告運用レポートを作成するための方法を、2点紹介します。
4-1. レポートをテンプレート化する
レポートをテンプレート化することで、以下の2つのメリットが得られます。
- 視認性が高く、誰が見てもわかりやすいレポートを短時間で作成できる
- 作業の効率化や省力化が進み、生産性の向上に寄与する
レポート作成は、あくまで必要なデータや結果をわかりやすくまとめる作業で、広告運用者のコア業務ではありません。
テンプレート化によりレポートの作成時間を短縮できれば、本来注力すべきアクションプランの策定や分析業務により多くの時間を割けます。その結果、より効果の高い広告運用につながるでしょう。
4-2. ツールを活用する
広告の成果データを一括で管理し、レポート作成業務を効率化するには、ツールの活用がおすすめです。
Web広告の媒体によっては、プラットフォームにレポート作成ツールが備わっているケースもあります。しかし、複数の広告媒体を並行して利用していると管理が煩雑化し、必要なデータを効率的に集められない事態に陥りがちです。
そこでおすすめなのが、広告運用に特化した専用ツールの活用です。データの自動集計や各広告媒体の結果を一元管理できるツールを使えば、レポート作成にかかる工数を削減できます。これにより、レポートの質だけでなく、広告運用のPDCAサイクルの質も向上するでしょう。
5. アドエビスなら広告運用レポート作成の工数を削減できる
広告運用レポートは、広告効果の把握、改善点の明確化、ノウハウの蓄積など、多くの重要な役割を果たします。効果的なレポートを作成するためには、適切な構成、分かりやすい表現、視覚的な工夫などが必要です。
こうした課題を解決するツールとしておすすめなのが、広告効果測定ツール「アドエビス」です。アドエビスは、さまざまな媒体の広告運用を一元管理でき、広告コストやCPAを、施策ごとに一覧画面で可視化できます。見やすく使いやすいUIにより、レポートの作成工数を50%削減できたという実例もあります。
アドエビスには以下のような特徴があります。
- 広告配信データを自動取得できるため、レポート作成の手間を削減
- 訴求軸やクリエイティブ・LP単位など様々な粒度でレポーティングが可能
- ダッシュボードで、コンバージョン数や広告予算消化率・CPA・ROASといった主要指標の進捗状況をスピーディーに集約・可視化
- 広告の直接効果はもちろん、間接効果も含めて評価できる「再配分CV」「TCPA(Total Cost Per Action)」といった計測機能を搭載
アドエビスは単なるレポート作成ツールではなく、広告運用の質を高める戦略的なツールです。レポートの作成工数に課題を感じる方は、ぜひアドエビスの活用をご検討ください。
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