広告分析とは?進め方やポイント、見るべき指標の種類を解説

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※2024年8月期_指定領域における市場調査 調査機関:日本マーケティングリサーチ機構

Web広告における分析とは、Web広告の効果やパフォーマンスをデータに基づいて評価・改善するプロセスのことです。分析を行うことで、ターゲット層や行動パターンを明確にし、コンバージョン率の向上を図れます。

しかし、多くの指標や複雑なデータに直面すると、どこから手をつければよいか分からないこともあるでしょう。本記事では、Web広告の分析の進め方や見るべき指標、押さえておくべきポイントについて解説します。

この記事で分かること
  • Web広告の分析の進め方が分かる
  • Web広告の分析時に見るべき指標が分かる
  • Web広告の分析で押さえておきたいポイントが分かる

1. Web広告の分析で見るべき指標

Web広告の分析において、見るべき指標は以下のとおりです。

  • インプレッション(Imp)
  • インプレッション単価(CPM)
  • リーチ(Reach)
  • フリークエンシー(FQ)
  • クリック数(Click)
  • クリック率(CTR)
  • クリック単価(CPC)
  • コンバージョン数(CV)
  • コンバージョン率(CVR)
  • CPA(顧客獲得単価)
  • 広告の費用対効果(ROAS)
  • 投資利益率(ROI)
  • 間接効果

それぞれについて、詳しく解説していきます。

1-1. インプレッション(Imp)

インプレッションは、広告が表示された回数を表す指標です。どれだけ魅力的なクリエイティブでも、その広告がユーザーの目に触れなければ成果にはつながりません。

特に、広告の目的が認知度の向上やブランディングである場合は、インプレッション数が重要となります。

1-2. インプレッション単価(CPM)

インプレッション単価は、広告のインプレッション回数に応じた費用を表す指標です。CPM(Cost Per Mille)と呼ばれ、広告が1,000回表示される度にかかった費用を示します。

計算式は以下のとおりです。

広告費 ÷ インプレッション数 × 1,000

この指標は、単価が低いほど多くのユーザーに効率良く広告を表示できていることを示します。

1-3. リーチ(Reach)

リーチは、広告を見たユーザー数を表す指標です。インプレッションと似ていますが、リーチは同一ユーザーによるカウントであればすべて1回とみなします。

例えば、2人のユーザーに対して広告が1回ずつ表示された場合のリーチは2です。一方、1人のユーザーに対して異なるWebサイトで同じ広告が2回表示された場合のリーチは1となります。

また、リーチはユーザーの端末ごとにカウントされる仕組みです。そのため、1人のユーザーが複数の端末を使用している場合は、リーチ数とユーザー数に差が生じます。

例えば、1人のユーザーがパソコンとスマホで同じ広告を見た場合、リーチ数は2となりますが、ユーザー数は1です。

ただし、Googleでは、ユーザー数=リーチ数に近づける仕組みを採用しており、複数端末を使用するユーザーを1人としてカウントするケースがあります。

1-4. フリークエンシー(FQ)

フリークエンシーは、同一ユーザーへの広告表示回数を表す指標です。広告が表示された人数(端末の台数)をカウントするリーチに対し、フリークエンシーでは、1人のユーザーに何回広告が表示されたかを表します。

フリークエンシーが高いと、同じユーザーに対して同一の広告を何回も表示している状態となります。ユーザーに不快感や警戒感を与える可能性があるため、必要に応じて回数を設定しましょう。

1-5. クリック数(Click)

クリック数は、広告がユーザーにクリックされた回数を表す指標です。インプレッションはユーザーの興味に関係なく発生しますが、クリックは商品やサービスに興味を持った場合にのみ発生します。

そのため、クリック数が多い状態は、商品やサービスに興味を示す人が多く、クリエイティブがターゲットに刺さっている状態だといえるでしょう。

クリエイティブに興味を示したユーザーは、広告から商品・サービスの詳細ページに遷移します。遷移先のページの内容に興味を持たせることができれば、コンバージョンにつながります。

1-6. クリック率(CTR)

クリック率はClick Through Rate(CTR)とも呼ばれ、インプレッション数に対するクリック数の割合を表す指標です。計算式は以下のとおりです。

クリック数 ÷ インプレッション数 × 100

クリック数だけでは、インプレッション数に対してどの程度のユーザーが広告をクリックしたのか、すなわち費用対効果を正確に把握できません。そこで、クリックの水準を把握することが求められます。

クリック率が高いほど、広告の訴求内容(クリエイティブ)が出稿先の媒体やユーザー属性とマッチしている可能性が高いといえます。さらに、CTRが上がればアクセス数が増えるだけでなく、広告の品質スコアも上がるため、広告費の削減にも有効です。

1-7. クリック単価(CPC)

クリック単価はCost Per Click(CPC)とも呼ばれ、広告へのクリックが発生したときにかかる費用を表す指標です。

広告費 ÷ クリック数

クリック単価は、効率良く遷移先のページに移行できたかを示します。単価が低ければ、同じ予算内でより多くのクリックが得られていることになり、費用対効果が高い状態です。

1-8. コンバージョン数(CV)

コンバージョン数は、広告を経由して成果(コンバージョン)につながった数を表す指標です。一般的な流れは以下のとおりです。

広告クリック

ランディングページ(LP)などに遷移

ページ内でのユーザーのアクション(コンバージョン)

どのようなアクションをコンバージョンに設定するのかは、サービス内容や目的によって異なります。

具体的には、以下のようなアクションをコンバージョンとして設定できます。

  • 商品購入やサービス申し込み
  • 資料請求
  • 会員登録
  • 問い合わせ
  • ホワイトペーパーのダウンロード
  • アプリインストール

1-9. コンバージョン率(CVR)

コンバージョン率はConversion Rate(CVR)とも呼ばれ、広告のクリック数に対するコンバージョン数の割合を表す指標です。

コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100

いくらクリック数が多くても、コンバージョンにつながらなければ売上などの成果に結び付きません。コンバージョン率は広告の効果を計測する上で欠かせない指標です。

1-10. CPA(顧客獲得単価)

CPA(顧客獲得単価)は、広告を経由してコンバージョンにつながった費用を表す指標です。コンバージョン単価とも呼ばれます。

広告費 ÷ コンバージョン数

CPAを用いることで、いかに効率良く成果を出せたのかが計測できます。CPAが低いほど、効率良く最終目標を達成できているため、費用対効果が高い状態です。

1-11. 広告の費用対効果(ROAS)

広告の費用対効果とは、投じた広告費に対する売上への貢献度を表す指標で、Return On Advertising Spend(ROAS)とも呼ばれます。広告費1円あたりの売上額を求められるため、広告費の回収率を把握するのに有効です。

広告の費用対効果が低い場合、費用対効果も想定より低くなる可能性があります。その場合、予算配分の見直しや入札価格の調整などの対策を検討しましょう。

1-12. 投資利益率(ROI)

投資利益率とは、投資したコストに対してどれだけの利益を得られたかを表す指標です。広告投資の効果を測る指標の一つです。Return On Investment(ROI)とも呼ばれ、マーケティング全般で用いられています。

Web広告の運用では、広告グループやキャンペーンごと、あるいは広告運用全体の投資利益率を計算して収益性を測定します。定期的にROIを確認することで、投じた費用に対する正確な利益を把握し、より効率的な広告運用が可能です。

1-13. 間接効果

間接効果は、コンバージョンに至るまでの間接的な広告の貢献度を測る指標です。一方、直接コンバージョンにつながった広告の貢献度は直接効果で測ります。

Web広告は直接購入を促すものもあれば、認知度向上・ブランディングを目的としたものまでさまざまです。ユーザーがすぐに購入には至らなくても、過去に広告接触(クリック)したことで効果が期待できます。また、さまざまな媒体を経て数日後や数週間後に購入につながるケースもあります。

間接効果ではこのような要素も加味し、コンバージョンに対する広告全体の貢献度を評価することが特徴です。

⇒ 間接効果とは?間接効果を測定すべきときと広告運用への取り入れ方

間接効果を測るためには、アトリビューション分析を行います。アトリビューション分析では、ファーストクリックからラストクリックに至るまでのユーザーのアクションを確認します。

各広告がコンバージョンにどれほど貢献しているかを把握できるため、広告の効果検証には欠かせません。

再配分コンバージョン
参照:アトリビューション分析とは?メリット・実際のやり方を解説

アドエビスであれば、コンバージョン経路の分析が1クリックで完結します。ユーザーがどういった経路を辿って購買に至ったのかを把握できるため、効果的なマーケティング戦略の立案に役立ちます。

⇒ ユーザーのオンライン行動の傾向を分析したい

2. Web広告の分析の進め方

Web広告の分析で効果を出すために、分析の進め方を理解しておきましょう。具体的な手順は以下のとおりです。

  1. 広告の目的を再確認し、見るべき指標を整理する
  2. 必要なデータを確認する
  3. 問題点を見つけ要因を明らかにする
  4. 改善案を検討・実施する

ここでは、上記の手順について詳しく解説します。

2-1. 広告の目的を再確認し、見るべき指標を整理する

まずはじめに、Web広告の目的を再確認しましょう。主な目的は次の3点です。

  • 認知拡大:自社ブランドや商品などの知名度向上を目的とした広告
  • 流入・集客:サイトへ流入させ、商品の詳細情報などを届けることを目的とした広告
  • 購入・申し込み:購入や申し込みを促す広告

広告の目的によって、分析の際に重視するべき指標が以下のように異なります。

・認知拡大が目的の場合

インプレッション数やインプレッション単価を重視します。さらに、改善策を実行した後には、コンバージョンへどう貢献したかを測る間接効果の確認も重要です。

・流入・集客が目的の場合

クリック数、クリック率、クリック単価を重視します。特に、クリック率(CTR)が高くなると、品質スコアの向上によりクリック単価が下がり、より効率的な集客が可能になります。

・購入・申し込みを促す場合

CPA(顧客獲得単価)やCVR(コンバージョン率)の分析が重要です。例えば、CVRが低い場合、商品ページへの導線やターゲット設定、LPのCTAボタンなどに改善の余地がある可能性があります。

CPAが高い場合は、ターゲット層と異なるユーザーへ無駄な配信をしていないか、ターゲティングの精度を見直しましょう。CTAの改善のためにABテストを行うなどの対策も有効です。

2-2. 必要なデータを確認する

Web広告は、解析ツールを活用してさまざまな指標をデータとして取得できます。アナログな広告手法と異なり、Web広告ではインターネット上の定量的な情報も簡単に収集でき、広告効果をより精密に把握することが可能です。

前述した確認すべき指標をもとに、解析用のプラットフォームやツールを用いて必要なデータを確認し、効果的な広告運用を目指しましょう。

2-3. 問題点を見つけ要因を明らかにする

データを確認し、目標よりも低い指標がある場合は、その要因を明らかにすることが大切です。

例えば、インプレッション数が多いにもかかわらずクリック数が少ない場合、クリエイティブやターゲティングに問題がある可能性があります。その場合は、キャッチコピーやバナーの色味変更など、クリエイティブの質向上や、ニーズに合わせたレイアウト変更により、改善が見込めるでしょう。

また、クリエイティブではなく、配信のターゲット違いの要因も考えられます。ターゲットが広すぎると、意図しない層に広告が配信されてしまうことがあるため、ターゲット設定の見直しも重要です。

まずは、問題点を特定し、その要因に応じた適切な改善策を検討しましょう。

2-4. 改善案を検討・実施する

問題点とその要因を明らかにしたら、解決に向けたアイデアを検討します。

前述したようなクリエイティブに問題があるのか、それとも広告の配信方法に問題があるのか、など、仮説を立て、改善策を立案していきましょう。

実際に改善策を実行した後は、効果検証を行うことも大切です。効果検証によって、施策前と施策後の状態を比較することで、問題点や改善案が本当に正しかったかどうかを正確に把握できます。

3. 広告分析をする上でのポイント

ここでは、広告分析を行う上で、特に重要なポイントについて解説します。

3-1. 広告効果測定ツールを活用する

広告分析には、複数の広告媒体を一元管理できる広告効果測定ツールが役立ちます。ツールを活用すれば、レポート制作等に時間をかけすぎることなく、効率的な分析が可能です。

こういったツールは、異なる媒体や広告種別でも一つのシステム上に必要な情報を集約できる点が特徴です。広告媒体ごとに管理画面で広告分析を行う方法と比べて、データの重複や欠損が少なく、分析効率を高められるメリットがあります。

また、媒体管理画面だとヒューマンエラーなどにより、コンバージョンが重複したり、欠損したりすることもあります。専用ツールを導入すれば、ヒューマンエラーを抑止し、より正確な分析を実施できるでしょう。

3-2. 客観的な情報に基づき分析する

広告運用に慣れない担当者の場合、「過去と現在のデータに変化はあっても、その要因がわからない」という状況に陥ることがあります。その結果、根拠のない判断や仮説をもとに結論を出してしまうと、効果的な広告運用が難しくなります。

広告の分析は、データ同士の因果関係を明らかにし、客観的な視点で判断することが大切です。具体的には、複数の指標を時系列に並べて、「指標Aが下がったから、BやCも下がる」といった関連を見つける必要があります。

より信頼性の高い分析を行うためには、結果に至った理由を論理的に説明できるようにすることも大切です。これにより、広告運用の改善に繋がる根拠ある決定を下せるようになります。

3-3. 適切な比較対象を設定する

広告に用いられるデータにはいくつかの指標があり、比較軸もさまざまです。主な比較軸としては、広告媒体同士の比較、キャンペーンや広告文別の比較、配信エリア間の比較、前月・今月の比較などがあげられます。

ただし、比較軸がバラバラだと、データ同士の因果関係にも誤差が生じ、正しい分析結果を得ることができません。

インプレッション数やクリック数などの指標を、上記のような異なる比較軸で突き合わせ、差異や変動を確認することが大切です。過去の類似した広告配信実績があれば、それを比較対象にすることも効果的な方法です。

3-4. 分析は定期的に行う

広告分析は継続的に実施することが重要です。広告運用環境は絶えず変化しているため、今日の常識が明日も通用するとは限りません。そのため、定期的に各指標の推移を確認し、それをもとに分析を実施してください。

定期的な分析には作業自体の効率化が欠かせません。具体的には、確認する情報やタスクに制限を設ける、ルーティン化するなどの方法が効果的です。また、広告効果検証ツールを導入することで、業務効率性を高められます。

4. 広告分析をするならアドエビス

Web広告の分析で見るべき指標は配信の目的によって異なります。それぞれの指標が適切かどうか、定期的に分析を行いましょう。

特に複数の指標や大量のデータを扱う広告分析は、複雑で時間のかかる作業です。効率的かつ効果的な分析を行うためには、ツールの活用が欠かせません。

広告効果測定ツール「アドエビス」は、広告の分析に役立つ以下のサービスを提供しています。

  • コンバージョン経路や貢献度が簡単に分析可能
  • 目標との差分をダッシュボード上で簡単に確認可能
  • 優先すべき改善施策がひと目でわかるようマトリクス図で可視化
  • DMP、BIツール、MA・CRM・SFAなど、多様な外部ツールと連携が可能
  • 1st Party Cookie活用により、3rd Party Cookie規制の影響を受けずコンバージョン計測が可能
優先して改善すべき施策がひと目でわかる「ABCD分析」

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